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2022年11月30日
家族葬の予算額はどれくらい?料金の内訳や費用を抑えるポイントを紹介
近年、遺族や故人の意向、経済的な理由によって家族葬を選択するケースが増えつつあります。
また、昨今流行するコロナウイルス感染症を背景に、蜜を避け少数で行える葬儀形式という特長も家族葬のケースが増えた理由です。
しかし、家族葬という名称は聞くものの、実際に必要な予算や内容について詳しく知らないという方は多いでしょう。
この記事では以上のような悩みを解消するため、家族葬の予算額・料金の内訳・費用を抑えるポイントについて解説します。
家族葬とは
家族葬とは、家族や親族、ごく親しい友人などに限られた参列者のみで行われる葬儀形式のことです。
一般葬に比べ規模は小さく、少人数で葬儀が開催されます。
参列者は10人程度が一般的で、最大でも30人程に収まるでしょう。
参列者の多い一般葬とは異なり、参列者の対応に追われることがないため、ご遺族は故人様との時間をゆっくり過ごせます。
また、コロナウイルス感染症が流行する今、蜜を避けて葬儀を行えることも大きな特長です。
家族葬の相場
家族葬の相場は葬儀形式・宗派・地域によって変動しますが、全国平均は99万5,000円とされます。
全国平均の内訳には、参列者へのおもてなし費用が含まれ、具体的には飲食費・お布施・会葬返礼品などです。
おもてなし費用は参列者数やプランによっても変動し、お布施の相場も明確に定まっていません。
また、家族葬では参列者へ振る舞いを行わない場合もあります。
以上を踏まえたうえで予算について慎重に検討してみましょう。
一般葬との相場の違い
家族葬の参列者は、ご家族、ごく親しい親族や友人のみであり、借りる式場は小規模で済みます。
そのため、式場スタッフの人数を抑えることが可能です。
しかし、参列者の多い一般葬と比べ、必ずしも費用が抑えられるわけではありません。
場合によっては参列者数の少なさから香典の額が少なくなり、負担が増します。
一般葬の全国平均は150万8,500円とされますが、香典の額が少ないと、負担金額が変わらない場合もあるのです。
家族葬の料金内訳
ここでは、家族葬の料金内訳について解説します。
予算を効果的に抑えるには内訳を知ることが大切です。
家族葬では「葬儀にかかる費用」「参列者の飲食や返礼品」「寺院・宗教者へのお礼」の3つに、費用を分けられます。
葬儀にかかる費用
葬儀本体費用には、式場使用料・斎場使用料・火葬料・祭壇・棺・位牌・仏衣などの費用が含まれます。
また、葬儀の司会者やセレモニースタッフなどの人件費も葬儀本体費用に含まれます。
プランによっては火葬費用が葬儀本体費用に含まれていないケースがありますので、事前に見積書を見ておきましょう。
また、オプションの追加や追加費用を発生させないためにも、事前に見積作成を依頼し、各プランを比較して必要な予算を算出しましょう。
参列者の飲食や返礼品の費用
総称しておもてなし費用とも呼ばれ、通夜振る舞いやお清め、火葬後の会食など参列する人の飲食に費用がかかります。
費用には参列してくださった親族や友人への返礼品・香典返しの費用なども含まれます。
家族葬では、一般葬に参列する人数に比べて人数が少ないので、参列者への接待にかかる費用は抑えられるでしょう。
また、家族葬によっては会食そのものを行わない、香典を辞退したうえで香展返しをしないなどのケースもあります。
寺院・宗教者へのお礼
寺院・宗教者が行う、通夜や葬儀、告別式の読経などへのお礼として、お布施代がかかります。
場合によっては、御車料や御膳料がかかるでしょう。
また、選択する宗教によっては、お布施代が必要ないケースもあります。
お布施は、喪主が寺院・宗教者へ直接手渡すものであり葬儀社の見積には含まれていません。
宗教ごとにお布施の相場はある程度決まってますが、謝礼であるため実際の金額に決まりはなく喪主によってその金額は変わります。
費用を抑えるポイント
前述した家族葬にかかる費用の内訳から、葬儀費用・食事や返礼品などの接待費用・宗教者へのお布施などが主な費用だと分かりました。
それでは、さっそくこれらの費用を安く抑えるためのポイントを詳しく解説します。
葬儀の生前予約をする
葬儀費用を抑えるには生前申込が効果的でしょう。
生前予約には費用を抑える主な効果が2つあります。
1つ目は生前予約によって葬儀費用の割引を受けられることです。
葬儀会社は、生前予約による割引特典を用意している場合が多く、割引を受けることで費用負担を軽減できるでしょう。
2つ目は故人と遺族の望む葬儀を行え、余計な出費を抑えられることです。
故人の望む葬儀を事前に把握しておくことで、不要な出費を防げます。
また、葬儀の相場を事前に知ることで、本当に必要な出費なのかを判断できるようになるでしょう。
オプションをできるだけ省く
葬儀のオプションには、会食や返礼品、供花やお供え物の乾物、精進落としなどがあります。
オプションを追加するほど豪華な葬儀を執り行えますが、追加した分だけ負担費用が増えます。
また、オプションを省略しすぎると、ご遺族が想像していた葬儀に比べて、実際の葬儀が寂しく納得いかないというケースも起こりえるでしょう。
本人やご家族が納得のいく葬儀を実現するために、オプションを省くさいは家族と話し合うことが大切です
宗教・宗派にこだわらない
費用を抑えるポイントとして、宗教・宗派にこだわらないことが挙げられます。
無宗教葬形式であれば、宗教葬儀では料金のかかる仏具や戒名などを省いたプランが選べます。
また、無宗教葬形式では、そもそもお布が必要ありません。
さらに、費用が抑えられる宗教・宗派を選択することも手段のひとつです。
費用を抑えられる宗教・宗派の寺院を知りたい方は、各葬儀社に相談し、比較的予算が抑えられる宗教者を紹介してもらいましょう。
飲食費や返礼品を安くおさえる
ご家族やごく親しい親族、ご友人のみで行う家族葬は、食事や返礼品を用意しないケースがあります。
また、一般葬を含め新型コロナウイルス感染の予防として会食をしない選択肢もあります。
食事や返礼品を用意する場合は、参列者の人数を正確に把握しておきましょう。
食事や返礼品の金額によって最終的な葬儀費用は大きく変わります。
そのため、参列者数を把握し、余りを発生させないことで葬儀にかかる費用を効果的に抑えられます。
お通夜を省略する
葬儀の予算を抑える手段として、一般的に行われる二日葬ではなく一日葬の形式で葬儀を執り行うことも挙げられます。
一日葬とは、お通夜を省き二日から一日へ短縮した葬儀形式のことです。
2日間のセレモニーを1日に半減できるため、スタッフの人権費用・会場費用・会食費などを削減できるでしょう。
また、お通夜は一般会葬者が一同する場という意味合いで世間に広まっているため、家族葬では省略されるケースが増えつつあります。
葬祭費補助金制度を活用する
葬祭費補助金制度とは、国民健康保険に加入する本人が亡くなった場合に、申請すると支給される給付金制度のことです。
自治体や加入する健康保険によって異なり、1万〜7万円が目安です。
葬祭費補助金は葬儀終了後から2年以内に申請しなければ給付されないため、期限内に申請しましょう。
制度の改正によって給付される金額が変動していることもあるため、あらかじめ各自治体の国民健康保険課に問い合わせすることをおすすめします。
まとめ
この記事では家族葬の予算額・料金の内訳・費用を抑えるポイントについて解説しました。
近年では、ご遺族や故人の意向や経済的な理由から家族葬を選ばれるご家庭が増えつつあります。
しかし、家族葬を実際に行うと一般葬と負担費用が変わらない、またはそれ以上の費用が発生してしまうなんてこともあるでしょう。
費用を最低限に抑え、納得のできる葬儀を実現するためには、故人や遺族と相談し必要な出費を明確に見積ることが大切です。