葬式の形が多様化する中で、家族や故人と特に近しい友人のみが参列者となる家族葬も増えています。家族葬においては、読経してもらった僧侶にお布施をお渡しすることがマナーです。

そこで今回は、家族葬におけるお布施の相場やお布施の渡し方や書き方といったマナーについて解説します。

 

家族葬における僧侶のお勤め内容

家族葬における僧侶のお勤めの手順の内容は以下の通りです。
①通夜式読経
②告別式読経
③式中初七日読経
④炉前読経
⑤戒名授与
通夜式読経では、通夜において僧侶が祭壇の前で読経をし、読経中に参列者がお焼香をします。

また、告別式読経では、告別式において僧侶が祭壇の前で読経をし、読経中に参列者がお焼香をします。

告別式読経が終わったら、続いて式中初七日読経があります。初七日は故人が亡くなって7日後に行われることが一般的でしたが、近年は7日後に再度親族が集まる負担を減らすために告別式で行われることも増えています。式中初七日読経も告別式読経同様僧侶が祭壇の前で読経をし、読経中に参列者がお焼香をします。

 

最後に、戒名授与が行われます。戒名とは故人が仏門に入った証として授けられる名前です。戒名は宗教ごとに呼び方が異なり、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と呼びます。

 

家族葬に僧侶を呼ぶ場合|お布施の費用内訳

家族葬に僧侶を呼んだ場合は、マナーとしてお布施をお渡しします。家族葬におけるお布施の費用内訳は以下の通りです。

  • 通夜及び告別式での読経料
  • 故人への戒名料
  • 交通費としての御車代
  • 通夜及び告別式後の御前料
  • 納骨時の読経料

ここからは、それぞれの詳細について解説します。

通夜・告別式での読経料

通夜及び告別式で読経していただいた場合には、読経に対する感謝として読経料をお渡しします。式中初七日で読経していただいた場合は、式中初七日の読経料もまとめてお渡ししましょう。

故人への戒名料

故人への戒名料とは、戒名をしていただいたことに対する謝礼です。戒名料は故人の生前の立場や菩提寺との付き合いの程度によって変わります。いくら程度お渡しすれば良いか迷う場合は、直接僧侶にお尋ねしても構いません。

 

交通費としての御車代

家族葬は自宅で行うため、僧侶に自宅に来ていただかなければならず、交通費としての御車代をお渡しするのがマナーです。また、遠方から来ていただく僧侶が一泊しなければならない場合は宿泊費も併せてお渡しします。

 

通夜・告別式後の御膳料

僧侶に自宅に来ていただいた際には、通夜及び告別式の後に食事を振る舞います。通夜及び告別式後の御膳料は、僧侶が飲食をせずにお帰りになる場合にお渡ししてください。つまり、僧侶が飲食された場合はお渡しする必要はありません。

 

納骨時の読経料

葬儀が終わって納骨する際に、僧侶に読経を依頼した場合は納骨時の読経料もお渡しします。納骨時の読経料は、菩提寺ではない場所に納骨した場合なども必要です。

 

法要(法事)でのお布施

四十九日や一周忌、三回忌などの法要(法事)で、僧侶に読経をしていただいた場合にもお布施をお渡しします。通常、四十九日よりも一周忌の方が、一周忌よりも三回忌の方が安価となるケースがほとんどです。

 

家族葬におけるお布施の相場

家族葬にかかるお布施の費用相場は、地域や宗派などによって異なります。お布施の金額が異なる原因は、地域や宗派によってお布施に対する考え方が異なるからです。

ここからは、地域別と宗派別のお布施の相場をご紹介します。

地域別|お布施の相場

日本消費者協会が2017年に実施した「葬儀についてのアンケート調査」によると、全国の費用相場は約47万円でした。また、各地域別の費用相場は以下の通りです。

  • 北海道地方 約33万円
  • 東北地方 約60万円
  • 関東地方 約52万円
  • 中部地方 約53万円
  • 近畿地方 約46万円
  • 中国地方 約42万円
  • 四国地方 約39万円
  • 九州地方 約29万円

このように、地域別に見たお布施の費用相場は九州地方が最も安く、東北地方が最も高い結果となっています。

福岡県|お布施の相場

株式会社鎌倉新書が2022年に実施した「第5回お葬式に関する全国調査」によると、福岡県のお布施の相場は約18.3万円でした。全国の相場は約22.4万円であったことから、福岡県は他の都道府県と比べると若干安い傾向にあることがわかります。

 

宗派別|お布施の相場

お布施の相場は、宗派で異なります。仏教のうち曹洞宗は複数人の僧侶が読経することが多いため、僧侶の人数が増える分お布施の相場も高い傾向にあります。

また、神道はお布施のことを「祭祀料」や「御祈祷料」と呼び、費用相場は15〜35万円です。ただし、神道の葬儀は全国的に見ても数が少ないため、葬儀社を選ぶ際は過去の実績などから慎重に選ばなければなりません。

このように、お布施の相場は同じ仏教でも宗派で変わります。

 

戒名料の相場

宗派によってお布施の相場が変わる1番の要因は戒名料です。戒名料は宗派によって大きく異なりますが、5万円以上であることがほとんどです。ただし、戒名の位が高くなればなるほど戒名料も高くなり、戒名料だけで20〜40万円ほどかかることもあります。

 

お布施に適した金額がわからない場合

お布施には明確な金額が示されていないことから、金額に迷う方も少なくありません。お布施に適した金額がわからない場合は、親しい檀家や僧侶を斡旋してもらった葬儀社に相談してみると良いでしょう。

 

お布施の渡し方

お布施の渡し方にもマナーがあります。お布施は僧侶への感謝を込めてお渡しするものです。

お布施は切手盆または袱紗に乗せてお渡しします。ここからは、切手盆と袱紗の使い方について解説します。

切手盆または袱紗(ふくさ)の使い方

お布施をお渡しする際は手渡しではなく、切手盆に載せる、または袱紗(ふくさ)に包んで渡します。ただし、家族葬は自宅で行うことがほとんどであるため、自宅でお渡しする際は切手盆に乗せてお渡ししましょう。また、切手盆に乗せる際は僧侶側に正面を向けて乗せることがマナーです。

お布施を渡すタイミング

お布施を渡すタイミングは、葬儀前か葬儀後のいずれかです。葬儀前にお布施を渡す際には「本日はよろしくお願いします」、葬儀後に渡す場合は「本日はお心のこもったお勤めを頂きありがとうございました。」など、感謝の言葉を添えてお渡ししましょう。

 

お布施袋の表書き

お布施は、白無地または白い封筒に入れてお渡しします。封筒には名前や「お布施」などと書きますが、書き方は宗教によって異なります。そこでここからは、仏式、キリスト教式、神式それぞれの表書きの書き方について、戒名袋や御車代袋の書き方とともに解説します。

仏式の表書き

まず、仏式は上段に「お布施」「御布施」「御経料」「御礼」などと書き、下段に喪主の名前を書きます。感謝の意を伝えるために、表書きは薄墨ではなく黒い墨で書いてください。

 

キリスト教式の表書き

キリスト教式では、上段に「献金」「御礼」などと書き、下段に喪主の名前をフルネームで書きます。

神式の表書き

神式では、上段に「御祭祀料」「御礼」「御神饌料」「御榊料」と書き、下段に喪主の名前をフルネームで書いてください。

 

戒名袋の表書き

お布施の中に戒名料を含まない場合は、戒名袋に戒名料を入れてお渡しします。戒名袋は、上段に「戒名料」と書いて下段に喪主の名前をフルネームで書きます。ただし、上段の「戒名料」については浄土真宗では「法名料」、日蓮宗は「法号料」と書いてください。

 

御車代袋の表書き

御車代袋の封筒には上段に「御車代」、下段に喪主のフルネームを書きます。御膳料とまとめてお渡しする場合は、上段に「御車代」と「御膳料」を並べて記載してください。

 

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